アップセルの秀逸な和製モデル、【松竹梅メニュー】で上手に客単価アップ。
今日は、顧客単価を上手に上げる方法についてのお話です。客単価アップの情報は、NET上にもたくさんあります。しかし、どれも一般的な理論だけで具体性がほしいというご意見がありましたので、私がホテルの販促室に勤務しているときに導入した、「松竹梅」のメニュー作りについてご紹介いたします。
すぐに顧客単価のアップができる、松竹梅のメニューを検討しましょう。
より多く買ってもらうクロスセル
単価アップの手法は大きく2つあって、1,より多く買ってもらうことと、2,より高額のものを買ってもらうことの2つです。前者をクロスセル、後者をアップセルといいます。より多く買ってもらうクロスセルには、①関連商品をお勧めする、②セット商品をつくるなどの手法が用いられています。
より高いものを買ってもらうアップセル
次に、より高額のものを買ってもらう方法としては①価格そのものをアップする、②アップセル(ワンランク上の商品をお勧めする)、③松竹梅のランク別選択商品を準備するなどがあります。
私が勤務したホテルは、もともと行政が経営する勤労者の保養施設のようなところでした。そのため、宿泊単価が非常に安かったのですが、民間経営になった後も、急な料金アップはできないと料金改定を躊躇しているところがありました。
当然、収益が悪化しますのでやむなく料金アップをすることになったのですが、その時に導入したのが、現行の商品を「梅」として「竹」と「松」の新しい商品を創り「松・竹・梅」のメニューから選んでいただくという方法でした。
松竹梅の価格バランスをどうするか
地元客を中心に、これまでの料金に慣れ親しんだ人には従来通り「梅」を選んでいただけますし、首都圏をはじめ、全国からお見えになる観光のお客様には、抵抗なく「竹」「松」を選んでいただけるようになりました。
ご存じのように3つの選択肢を与えられると、多くの人は真ん中を選ぶという人間の行動心理から、「竹」が選ばれる確率が増えるため、自動的に全体の顧客単価はアップしていきます。
この時に考えたいのが「松竹梅」の価格のバランスです。元のメニューを「梅」として、「竹」は少しだけアップ(15%-20%程度)「松」は大幅にアップ(50%程度)します。「松」は少し贅沢だが、「竹」ならいいだろうという顧客心理を刺激するという作戦です。
ネーミングは、寿司屋さんのような「松竹梅」ではなくそれぞれのビジネスにふさわしいものを考えてください。
目に見えた値上げを躊躇する場合は、まず、この松竹梅のランク別の選択メニューを準備することから始めてください。新メニューが増えたようにご案内をすれば、お客さまには抵抗がありません。
売れ筋の中から、ランクアップできるメニューを選んで構成を考えてください。もともと人気のあるメニューがベースになっていますから、魅力のあるメニュー作りができるはずです。
次回は、お金を使わない新規集客の方法【紹介】による集客について考えていきましょう。
Ryoukan