「ついで買い」を誘うクロスセルの極意と業種別「声掛け」の事例

スモールビジネスの経営者の皆様、こんにちは！

お客様の来店数はそこそこあるのに、「なぜか売上が伸び悩む…」と感じたことはありませんか？その課題を解決する鍵は、「客単価（お客様一人あたりの購入金額）」を上げることにあるかもしれません。

今日は、特別な設備投資もいらない、誰でも今日からすぐに実践できる「客単価アップの魔法」をご紹介します。その魔法の名前は、クロスセルです。

１．クロスセルとは？（アップセルとの違い）

まず、似た言葉に「アップセル」と「クロスセル」がありますので、簡単に区別しておきましょう。

アップセル（Up-Sell）：

アップセルとは、今買おうとしている商品よりも、「より高額な上位モデル」や「より大きなサイズ」への変更をおすすめすること。（例：普通サイズのドリンクをLサイズに変更するように提案するなど）

クロスセル（Cross-Sell）：

クロスセルとは、今買おうとしている商品に加えて、「関連性の高い別の商品」や「付属品」を一緒におすすめすること。（例：ハンバーガーと一緒にポテトを勧めるなど）

今回は、お客様の満足度を上げながら「ついで買い」を誘いやすい、即効性のあるクロスセルに絞ってお話しします。

２．マクドナルドの「ポテトもいかがですか？」に学ぶ

「クロスセル」の最高の見本は、誰もが知っているあのフレーズです。「ハンバーガーとドリンクのセットでよろしいですか？…ポテトもいかがですか？」この「ポテトもいかがですか？」こそが、クロスセルの成功例です。

お客様はハンバーガーを買うとき、多くの場合、「ついでに」ポテトやシェイクも欲しいと思っています。マクドナルドは、メイン商品の購入が決まったベストなタイミングで、関連商品を提案することで、お客様の「欲しい」を後押ししています。

結果として、お客様は「美味しく、満足度の高い食事」を手に入れ、お店は「客単価」を確実に上げることができます。

特別なマーケティング技術は不要です。お客様がメイン商品を購入する「流れ」を止めることなく、自然に、そして具体的に、関連商品を提案すること。これがクロスセルの極意です。

どんな業種であっても、お客様の「ついでに欲しいもの」を考えて、提案のセリフを用意しておくだけで、すぐに客単価アップに取り組めます。

３．業種別！今日から使えるクロスセル提案事例

あなたのビジネスに置き換えて考えてみましょう。お客様がメインの商品・サービスを頼んだ後、どんな提案が一番喜ばれるでしょうか？

【クロスセル提案の具体例】

◆飲食店

メイン料理の注文時

「このお料理には、今が旬の【特定銘柄の】地酒が特に合いますよ！」

「食後にコーヒーと、【本日の特製】デザートはいかがですか？」

◆ケーキショップ

ケーキ購入時

「可愛いアニバーサリーキャンドルはいかがですか？」「ギフト用の保冷バッグはご入用ですか？」

「このケーキにぴったりの紅茶もございます」

◆美容室

カット・カラーの会計時

「カラーの色持ちを良くする限定のシャンプーセットがお得です。ご自宅でのケアにいかがですか？」

「次回、トリートメントをプラスすると髪のダメージをより防げますよ」

◆整体院

施術後の会計時

「今日ケアした箇所をキープするため、この姿勢矯正サポーターを自宅で使ってみませんか？」

「次回の予約に、30分の足つぼマッサージを組み合わせて、より効果を高めませんか？」

４．成功のコツは「お客様にとってのメリット」

クロスセルの提案は、「店側の都合」ではなく、「お客様がより満足するための提案」として行うことが重要です。

「追加で買ってください」ではなく、「これを一緒に使うと、もっと良くなりますよ」と伝える。

「ついで買い」はお客様の判断疲れを減らし、「何を一緒に買おうか」と悩む手間を省くことにもつながります。

特別な仕組みは要りません。レジやサービス提供の最後に、ほんの一言、「いかがですか？」と付け加えること。その一言が、確実にあなたのビジネスの売上を押し上げます。

ぜひ今日から、あなたのビジネスにおける「ポテト」は何なのか、考えてみてくださいね！

ついでに、マクドナルドのレジには笑顔での応対を忘れないように「にっこりマークのシール」が貼ってあるそうです。これもすぐに活用できるアイデアですね。

商売のヒントはこちらでもご覧になれます。地元の商工会議所を活用しましょう。
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