なぜ「客数」より「客単価」を上げる方が経営は楽になるのか
顧客単価アップシリーズー1
お店の売上を伸ばしたいと思ったとき、多くの人が最初に考えるのは
「もっとお客様を増やそう」ということではないでしょうか。
広告を出す。
チラシを配る。
SNSを更新する。
イベントを開く。
もちろん、どれも大切な取り組みです。
しかし、新しいお客様を集め続けるには時間もお金もかかります。
広告費が増えれば、その分だけ利益も減ってしまいます。
そこでぜひ考えていただきたいのが、「客単価」を上げるという方法です。
客単価とは、お客様一人が1回の来店で使う金額のことです。
例えば、ランチのお店なら平均1,200円、美容室なら8,000円、
雑貨店なら3,500円というように、お店ごとに平均があります。
実は、この数字を少しだけ上げるだけで、売上も利益も大きく変わることがあります。

売上は3つの数字で決まる
お店の売上は、とてもシンプルに考えることができます。
売上=客数×客単価×来店回数
つまり売上を伸ばす方法は、次の3つしかありません。
・お客様を増やす
・一人当たりの利用金額を増やす
・また来店してもらう
これまで「販促アイデア100」では、新規のお客様を増やす方法や、
リピーターづくりについてご紹介してきました。
今回のシリーズでは、その真ん中にある「客単価アップ」に焦点を当てます。

100人増やすより500円増やす方が簡単
例えば、客単価が2,000円のお店があるとします。
毎月500人のお客様が来店すると、売上は100万円です。
ここで売上を25万円増やしたい場合を考えてみましょう。
方法は2つあります。
一つ目は、新しいお客様を125人増やす方法です。
500円増やすどころか、125人もの新規のお客様を集めなければなりません。
広告を出したり、キャンペーンをしたり、かなりの労力が必要です。
もう一つは、お客様一人当たりの利用金額を500円増やす方法です。
500人のお客様が、その日だけ500円多く利用してくだけで、
同じ25万円の売上アップになります。
もちろん簡単ではありませんが、新しいお客様を125人集めるより、
現実的ではないでしょうか。
しかも広告費はほとんど増えません。
利益はもっと大きく変わる
ここで大切なのは、「売上」ではなく「利益」です。
例えば500円の商品を追加で購入していただいたとしても、
その商品を用意するための費用が100円だったとします。
残りの400円は利益に近いお金になります。
一方、新しいお客様を集めるために広告費をかければ、その費用は最初に必要になります。
売上は同じでも、手元に残る利益は大きく違ってくるのです。
だからこそ、多くのお店では「客数を増やすこと」と同じくらい、
「客単価を上げること」を大切にしています。

業種ごとの身近な例
美容室の場合
カットだけのお客様に、
「髪の乾燥が気になる季節ですので、トリートメントもいかがですか?」
と提案した結果、利用金額が1,500円上がることがあります。
お客様も髪がきれいになり、お店の売上も増えます。
ランチのお店の場合
ハンバーグランチをご注文のお客様に、
「本日のデザートとドリンクのセットはいかがですか?」
とご案内すると、300円から500円ほど利用金額が上がります。
満足度も高くなり、ゆっくり過ごしていただけるきっかけにもなります。
雑貨店の場合
プレゼントを購入されたお客様へ、
「こちらの商品と同じシリーズのポーチも人気ですよ。」
と紹介すると、一緒に購入されることがあります。
無理に売るのではなく、お客様に合った提案をするだけです。

客単価アップは押し売りではない
「客単価を上げる」という言葉を聞くと、
「たくさん売り込まなければいけない」と感じる方もいるかもしれません。
しかし、本来はそうではありません。
お客様にとって役立つ商品や、より満足できるサービスを提案することが客単価アップです。
「せっかく来店していただいたのだから、もっと満足して帰っていただこう。」
そんな気持ちで提案することが何より大切です。
お客様が喜び、お店の利益も増える。これが理想の客単価アップです。
今日からできる実践ポイント
まずは、お店の平均客単価を書き出してみましょう。
毎月の売上を来店人数で割れば、おおよその数字がわかります。
そして、次の質問を自分のお店に投げかけてみてください。
- 平均客単価はいくらですか?
- あと300円、500円増やす方法はありますか?
- お客様がもっと満足できる提案は何でしょうか?
数字を書き出してみるだけでも、新しいアイデアが見えてきます。
次回予告
次回は「アップセル 〜ワンランク上の商品を自然に選んでもらう方法〜」をお届けします。
「高い商品を売り込む」のではなく、「お客様にもっと満足していただく提案」の考え方を、
具体例を交えながらわかりやすくご紹介します。

商売のヒントはこちらでもご覧になれます。地元の商工会議所を活用しましょう。
◆全国の商工会議所一覧 https://www5.cin.or.jp/ccilist
◆中小企業庁支援策チラシ一覧 https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/support.html

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